経筋治療により改善した症例
患者70台の女性。中肉中背。病院の調理を行っている。
昨年の4月に左の膝痛、右の腰痛を訴える。
左の膝は屈曲すると、45度で内側に痛みを生じる。
治療:
脈診:心実腎虚75難型で治療を行った。
2週間後の治療:
主訴:
左の膝痛はまだ少し残っているが、かなり楽になった。肩甲骨周囲がつらい。
2週間後の治療:
主訴:
日中の膝痛は現象したが、朝の起床時に生じ、しばらくすると解消するとの事。
加齢による膝痛を連想し、整形外科で検査を行うようアドバイスを行った。
その日の治療は、脾実肝虚の77難型でおこなった。
2週間後の治療:
整形外科の診断は加齢による軟骨の減少による骨と骨の接触による痛みとの事でした。
特に治療はなく、湿布薬をしょほうされた。
主訴:
膝痛は大分楽になったが、まだ首を右に回して振り返る時に痛みが出る。
心実腎虚の75難型の治療を行った。
経絡治療だけでは限界と判断して、筋肉経の治療を加えることにした。
治療:
心実腎虚の75難型の経絡治療を行った後、次の方法による診断の結果を加えることにした。
検査:膝の痛みを生じさせるための下肢伸展テスト。
1、膝は90度位屈曲すると、痛みを生じた。
2、膝を屈曲したまま、膝頭を腹部に接近すると、腹部に届かず痛みを生じた。
3.痛みを生じる手前まで膝を屈曲し、股関節の外転を行った時、痛みはない。
4.同じ状態のまま、股関節を内点した時、臀部に痛みを生じた。
上の結果から足の太陰の筋の治療を加えた。
2週間間隔で、続けて3回の経筋治療を行った結果、脾経による痛みは改善した。
しかし、まだ膝の痛みを訴えるので、再び下肢伸展テストを行った。
検査:
1、膝は90度で屈曲すると、痛みを生じた。
2.トーマステスト(膝を曲げて、膝頭を腹部に近づける方法)は、かなり改善していた。
3.膝を屈曲して股関節を内転する時、臀部の痛みは解消していた。
4.腹臥で膝を曲げて行き、踵を臀部に近づける時、膝に痛みを生じる。
上の結果から腎経の変動とけつろんした。
治療:
脈診は脾実腎虚の81難。
治療後に行った腹臥での膝の屈曲は、かなり改善したが、まだ痛みは残っていた。
したがって、経筋経の足の少陰の筋の治療を加えた。
2週間後の治療:
脈診は心実腎虚の75難型でした。
これに再び経筋の足の少陰の筋の治療を加えた。
結論:
腹臥で膝を曲げて踵がなんとか臀部に接触できるまでになったが、まだ少し困難さが残っている。徐々に改善すると思う。
経絡治療で解消できない時の、経筋治療は実に効果が有りました。
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霊枢経脈第十の解説
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